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8月19日

ETAP-6 TOTAL:511.32km
ゾーモット→アルベイヘール
SS 511.32q

出てきた、調子とあくび
教訓:6日目はねむさに注意

この日の菅原ナビは「完璧なナビゲーションを見せてやる」と予習も気合いもバッチリだった。しかしこういう日に限って、普段あり得ないことが起きるもの。ルートブック通りに順調に消化していた時に事件は起こった。「数字が消えた・・・」ナビゲーターの必需品ラリー用トリップメーターの数字が突然消えてしまったのだ。「そっそんなぁ」それからが大変、150q先のRCP(注2)で修理するまでの間、ナビの勘とメーターパネルの小さなトリップメーターに頼るしかない。運転しながらの暗算大会が始まった。人間その気になればやるもので、そういう時に限ってミスコースをしないから皮肉な話だ。


地平線を目指して走っていると、丸い地球を走っている実感が沸く。しかしこの景色も去年と何かが違っていた。チンギスハーンを生み育てた母なる大地も、大地を見守り続ける父なる山々も、どこか去年と違っている。なんでだろう?そうか、景色じゃなくて私が違うんだ。こんなに広いモンゴルも、前方数百メートルのピストだけが“今の私のモンゴル”だった。感動的な景色より目の前のギャップや石に関心があった。「なんて贅沢で、なんてもったいないことをしているのだろう」憧れのラリーレイドに抱いた疑問に「無駄にするな」と菅原は言った。

1日の平均走行距離は450q。確かに疲れるが、決してイヤな疲れ方ではない。 ウチのトレードマークは鯉のぼり。モンゴルの風を受けてのびのびと青空を泳いでいる、というと聞こえはいいが、実際はちぎれる勢いで暴れている。終わる頃には半身や干物になっていることもしばしば。鯉のぼりにとっても長距離のラリーレイドは過酷な戦いの場なのである。夕方になると、クルマと鯉のぼりの長〜い影が大地に映る。なんともほほえましい私の大好きな光景である。

ラリーも6日目、調子も出るがあくびも出てくる。横にも目がある菅原に、何度か現場を押さえられた。

注2:レストコントロールポイント、一定の休憩が義務づけられている