■スリッパ「モンゴルへ行く」 旅立ちの巻
1人乗りの小さなバギーで、『北京ウランバートル』に行って参りました。
昼夜を問わずよく走り、よく止まっては、時々迷い、結果はエントラントの中で一番長い時間走ってしまいました。キャンプ地での睡眠時間は、合計5〜6時間。どうりで幻覚もよく見たわけです。
今回私が乗った"スリッパ"と呼ばれるこの2WDの乗り物は、一見バギーっぽく見えますが、一般的に言うそのバギーとは趣きが違い、分かりやすく言えば"軽トラのバギー仕様"です。宅配業者の赤帽さんが使用しているあのリア・エンジンのスバル・サンバーをベースに、フレーム、エンジン、足回りの位置や構造はほとんど変えることなく、そのまま使われています。
バギー用として変えられたところは、前方の運転席をセンターに置き、シートの高さもフレーム下まで下げられたこと(操縦性や重心の前後バランス・安定性を図るため)、タイヤ径が大きくなったこと(悪路走破性を良くするため)、リアショックの取付位置と本数を変更したこと(私は『プロコンプ』使用)、キャブと荷台が取り払われ、ボディは鉄パイプとアルミ板で製作されたこと(コケてもガードしてくれるし、軽くて丈夫な構造)等です。
このスリッパは"もっとみんなが気軽に楽しめるバギーを"と、バギーやオフロードのレースカーを手掛けていたファクトリーハナワの故・塙正之氏を中心に、構想され実現化された新しいカテゴリーのバギーなのです。
以前はスリッパだけのワンメイクレースもあり、あえて改造範囲を制限することにより、同じ条件で競う面白さが人気を呼び、またコケても起こせばそのまま走り出せる軽快さ、交換部品の入手のし易さ、この当たりも失敗しても笑っていられるスリッパの魅力でした。
ところがです。池町さんがスリッパ(ベースは同じですが、足回りは少し違います)でBTOUに出ようじゃないかと言うではありませんか!「スリッパなんて絶対ムリムリ」→「ムリだろう」→「ムリかな?」→「気になる」→「すごく気になる」→「やれるかな」→「やってみたいな」→「やろう」。嫌いじゃない私は、こうしてエントリー用紙を書いてしまったのでありました。
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