Etap7 同時スタート再び

Etap2の大スタックに匹敵するドラマが展開されたEtap7。この日のスタート時間の差は5分。毎日緊張の連続である。
この日は前半山岳地帯を通過するルートで、何人かの参加者が口にしていたが、罠に引っかかってしまった。ある地点からGPSの示す方角が我々の進行方向から大きく反れてきた。ラリーでは、ルートブックの指示が大前提であり、たとえばGPSの示す方向が大きく反れていたとしても、ある地点を大きく回りこむルート設定であれば、そのような事も有り得るのでその方向に惑わされると失敗に陥る事がある。
この日まではGPSの方向が反れた場合、自分のミスであった場合がほとんどだったため、この時ももしかしたら間違ったのかも知れないと不安になり、会長に「間違っているようだからGPSのほうに行ってみよう」と言われ素直に従った。
しかしこの時に限ってルートは合っていて我々はGPSにだまされた形となった。これがいわゆるラリーにおけるGPSの罠である。
GPSの示す方角に進むにつれ道は細くなり、どんどん渓谷の中へ進んでゆきついには行き止りになってしまった。そこは小川が流れた跡のようで、それほど幅は無いが、車やバイクが渡れないほどに深くえぐれている。それでも会長は前に進もうと、強引に小川に入り込んで行ってしまった。ナビゲーターとしては「止まってください」といわなければならない場面であったが、ドライバーとナビゲーターの関係より先に勤務先の会長と一従業員の関係があるため、強く言うことが出来なかったのと、何よりも会長のドライビングなら何とかしてくれそうだと思い、流れに任せていると、「ゴン」とバンパーが小川の底に突き刺さり、バンパーを壊してしまった。
これは後で気がついたことだが、前側のスタビライザーのブラケットが折れており、おそらくこの衝撃によるものだろう。これでは引き返すしか方法が無いので、我々は正しいルートを探しながら、ゆっくりと引き返していった。
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