■ETAP-3 突然の砂嵐に見まわれて...
前日の夜中に誰もいないビバークで雨に打たれながらも再生を遂げたバギーは気分一新『奇跡の砂丘』と言われたバルンバヤンウランの砂丘を目指し南へ向かう。序盤はバギーにはうれしいテクニカルな山岳コース。緑豊かな丘陵地帯を縫うように走るバギーはまさに水を得た魚。リアサスを気遣いながらも快調な走行が続いた。
その後、多少のミスコースがあったもののメカニカルなトラブルもなく順調に距離を消化していく。ゴールまで残り50kmとなったところで景色が一変。気温もグングン上昇し、クリーム色をした砂の大地が目の前に広がった。いやがうえでも砂丘が近づいてきたことを実感する光景である。そして辺りが完全に砂の海となった時、突然砂嵐に遭遇する。
もの凄い風、横殴りの砂、そして視界は数メートル・・・ゴーグルにヘルメットという完全装備でありながら叩きつける砂で顔がゆがむ。それはせっかくのハイスピードピストでありながらまったくスピードが上げられないというジレンマからくるものであったかもしれない。クルマが空中に巻き上げられてしまうような恐怖感すらあった。あんな時バイクの人たちはどうしてるのだろう?と単純な疑問が頭をよぎった。自然は強大である。5分?10分?15分?どれくらい砂嵐の中にいたのかはよく覚えていない。いつの間にか視界が開けた目の前には平らな砂の大地が広がっていた。CAP走行でブッシュ地帯に踏み入り、そこをぬけた美しい砂丘郡の入り口にゴールフラッグが見えた。ETAP-4レポート>>>