世界的作家・サン=テグジュペリの開拓スピリットに強い感銘を受けたが故に、ごく自然とアフリカに魅了されたフランスの青年、ティエリー・サビーヌ。当時28歳の彼が1978年の暮れに始めた壮大なサハラ砂漠への挑戦、それがパリダカの起源である。
そもそも自動車レースの起源は1894年にパリ、ルーアン間で開催された「パリ・ルーアンラリー」とされ、都市から都市へ、「CITY TO CITY」が原点である。サビーヌの冒険スピリットが、サン=テグジュペリが自ら開拓し作品化した定期郵便飛行に感化され、「CITY TO CITY」への原点回帰と結びついた形が、パリダカと言えるのではないだろうか。さらに付け加えるならば、サン=テグジュペリが残した「愛とはお互いに向き合うことではなく、お互いに同じ方向を見つめることである」という哲学的思想を、自らがクリエイトするイベントで感じ合い、感じてもらいたいというサビーヌのメッセージが込められている気がしてならない。